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共感の起源としての群れ/共感を媒介するオキシトシン

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前回は「ふたつの共感」についてまとめました。
今回は共感の起源とオキシトシンとの関係をまとめてみました。


共感の起源

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群れのメンバーが近接した距離で共存し,安定して群れの移動が維持されるためには行動を同調させる必要がある。
この論文によると、動物における群れの機能が共感の起源と関連しているのではないか、と考えられています。

群れをつくるために、まずはメンバー間が行動を同調させることが必要になります。リズムや周期のある行動の同期化は、ゲンジボタルや魚の群れにもすでに認められています。

これは原初的な情動的共感(EE)と言えるかもしれません。

哺乳類では、相手の意図や行動の意味を予測する能力が備わることによって、行動・注意・情動の変化を相手と一致させ、他者の視点を獲得できる素地ができるようになります。

この時点で認知的共感(CE)まであと少しで到達できそうです。


群れから社会へ

群れの形成は集団の安定と発展のみならず、個体の生存と適応度を上昇させて、社会的な緩衝作用や弱者保護の概念をもたらします。

今からおよそ250年前に哲学者ジャン=ジャック・ルソーは共感のひとつである「憐れみ」について独特な考え方をしていたことが東浩紀の著作によって紹介されています。
人間は「憐れみ」のゆえに、幸せな孤独を捨てて群れて生きてしまう。そしてこの「憐れみ」は、決して人間独特のものではない。それは理性や反省から離れたもので、一部の動物たちにも備わる能力である
人間は、まさにその「獣」に近い能力によってこそ社会を作って自分たちを守ることができたというのが、ルソーの主張なのである


通常、「憐れみ」はプライベートな感情であると考えられています。しかし、ルソーは「憐れみ」はパブリックな営みであり「憐れみ」こそがひとを結びつけて社会をつくると考えました。

人間の理性が社会をつくると考える一般論とは逆に、動物的な共感こそが社会をつくる基盤であることをルソーが見出していたことはとても示唆に富みます。


共感を媒介するオキシトシン

オキシトシンはギリシャ語で「すばやい出産」という意味で、産婦人科領域で陣痛促進剤として知られている、神経系や血液を介してシグナルを伝達する物質です。

その後、小動物では愛着行動を促進する作用があることがわかり、社会的シグナルの認知や養育行動の発現を促進すると考えられました。つまり、共感を媒介する物質と言えるでしょう。


自閉スペクトラム症(ASD)ではオキシトシンの伝達に異常があることが指摘されているため、オキシトシンはASDの治療薬になるのではないかと考えられています。
東京大学医学部附属病院 精神神経科 山末英典准教授らは自閉スペクトラム症と診断がつく20名の成人男性を対象にランダム化二重盲検試験を探索的に行い、オキシトシン経鼻剤の6週間連続投与によって対人相互作用の障害と呼ばれる自閉スペクトラム症の中核症状が改善することを発見しました。

哺乳類の母仔間において、仔の鳴き声や吸乳行動は母のオキシトシン分泌を促進して、母性行動を高めます。さらに、母性行動を受けた仔もオキシトシン分泌が促進されて身体的な接触を求めるようになって以下繰り返し、という連鎖反応が起こって正のループを形成します。

双方から発せられる感覚的なシグナルのやりとりがオキシトシンによって促進されることによって、情動伝染・警戒の伝搬・移動の同期化が可能になり、群れの運営が可能になります。

ヒトはこのプロセスをアイコンタクトのみで達成できるように進化しました。また、ヒトと収斂進化したイヌは(チンパンジーやオオカミと違って)この能力を獲得しているとされています。

オキシトシンを投与されたイヌは飼い主を見つめるようになり、見つめられた飼い主はオキシトシン分泌が高まり、正のループが形成されます。

つまり、ヒト同士はもちろん、ヒトとイヌの間でもオキシトシンによる正のループが起こるわけです。


共感の拡張性は?

というわけで、オキシトシンが媒介する共感はめでたく種の壁を越えました。人間は母子間だけでなくアカの他人からペットの犬にいたるまで、共感によって社会を拡張させることができます。

それならば無生物、たとえばロボットならどうなのか、という疑問が湧いてくるわけで、次回は人工的な共感が可能かについて調べてみたいと思います。

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共感のバランス

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「共感」という言葉は当たり前のように使われ過ぎていて、深く考えることがなかったりします。あらためてよくよく調べてみると、けっこうややこしくて奥が深いモノだったのでまとめてみます。

EEとCE、ふたつの共感

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まず、共感は大きく分けて2種類あります。

①情動的共感(Emotional Empathy:EE) 
②認知的共感(Cognitive Empathy:CE)

①EEは、相手の感情に自らも同調して生じる共感です。
古い系統発生の原始的なシステムで、生得的で自動的に「情動感染」や「ミラーニューロンシステム」による模倣からボトムアップに生じる、自律神経系を巻き込んだ身体的な反応です。

②CEは、相手の立場になって気持ちを推しはかる共感です。
比較的新しいシステムで、類人猿とヒトに発達。後天的、意識的で、知識や推論を統合してトップダウンに生じる、いわゆる、心の理論(ToM)とかメンタライジングと呼ばれるものです。

ASDの共感/サイコパスの共感

「アスペルガー症候群」という名称は、1944年に最初の症例を報告したハンス・アスペルガーの名を冠して、1981年にローナ・ウィングが発表したものです。

もともとは「自閉的精神病質=自閉的サイコパス(Autistische Psyachopathie)」と名づけられていました。

症状のひとつとして「共感能力の欠如」があげられて「サイコパス」と称されているのでまぎらわしいのですが、一般的には自閉スペクトラム症(ASD)と反社会性人格障害(サイコパス)との違いはCEとEEの二分法で説明されていたりします。

サイコパスは「高CE+低EE」です。他人の立場に立って相手の弱点や欲望を把握するのが得意なので、他人をうまく操作することができます(高CE)。一方で、他人にひどいことをしても心拍数が上がらなかったりします(低EE)。

前回とりあげたサイモン・バロン=コーエンの「共感-システム化理論(EST)」では、自閉スペクトラム症(ASD)は「低CE+普通EE」と言われています。他の研究者の間でも、ASDはCEが苦手ということはコンセンサスを得られています。

一方で、EEに関しては諸説さまざまで、ASDは高EEだという立場もあったりします。


共感不均衡仮説「低CE+高EE」

ASDが高EEかもしれないのは、他者よりも自己志向でToMが弱いためEEが抑制されにくいのではないかという考えがあって「共感不均衡仮説(empathy imbalance hypotheses:EIH)」と言われていたりします。

ASDの二次障害が重いケースでは、不幸にもつらい体験を重ねることによって共感能力がすり減って、シゾイドパーソナリティ(低CE+低EE)っぽくなるひとがいたりします。

あるいは、高EEを保つことよってサイコパス化やシゾイド化を回避することができるのかもしれません。


高EEは感覚過敏?

ASDの症状のひとつに感覚過敏があります。最近はなんでもかんでも感覚過敏としてひとくくりにされがちだったりしますので診断基準を確認してみると、、、
Hyper- or hyporeactivity to sensory input or unusual interests in sensory aspects of the environment(DSM-5)
ざっくり言うと、特定の刺激に対して敏感に反応してしまったり、ハマってしまったりすることです。

単に感覚が鋭いというわけではなく、いくつかの感覚を統合することが苦手だったり、感覚刺激を予測することが苦手なために、特定の感覚に対してびっくりしてしまう傾向のことを言います。

というわけで、直接は共感能力に関わりがなさそうですが、なんらかの形で関与している可能性があるのかもしれないので、また調べてみたいです。

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色彩感覚からの共感能力

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ASDのひとは黄色が苦手?

自閉スペクトラム症(ASD)の症状のひとつである感覚過敏は、普段の色の好みにも影響しているのか、という研究。
正高信男 霊長類研究所教授、マリン・グランドジョージ レンヌ第一大学講師らの研究チームは、自閉症スペクトラム障害(ASD)の特徴の一つと考えられる知覚過敏の中でも色彩に着目し、ASD児の色彩感覚にどのような特徴がみられるかを調査しました。
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その結果、ASD児は比較的茶色と緑色を好み、黄色を嫌がることがわかりました。黄色は生理的に刺激が強いことが原因ではないか、という考察です。

確かに、視覚障害者のための点字ブロックは目を引きやすいように黄色にしてあります。
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ただ、ASDは感覚過敏があって黄色は刺激が強いので気をつけましょう、という理解だけだと薄っぺらい感じがして何だか物足りません。

知覚の様式が通常とは異なるという特性は、ASDにとってどのような意味を持つのか、考えてみたいと思います。


霊長類が色彩感覚を発達させた理由

そもそも、霊長類は樹上生活に適応するためにすばらしい色彩感覚を身につけてきました。これには栄養分に富んだ果実や若葉を検出できるように進化したという説明があります。

以前紹介したマーク・チャンギージーによると、人間の色彩感覚は光そのものの色ではなく、「肌の色の変化」を知覚するために最適化されているらしいです。

人間の肌の色は酸素飽和度の高低(赤↔緑)とヘモグロビン濃度の高低(青↔黄)によって色が変わります。これに対応して、色覚を感知する錐状細胞は、肌の色が大きく変わる色の波長(赤・緑・青)を感知するのに都合よく配置されています。

そうすると、血液が滞ってうっ血しているのか、酸素が足りないのか、という健康状態だけでなく、怒って赤くなっているのか青ざめているのかという感情や精神状態を鋭敏に捉えることができるようになります。

人間の色彩感覚は、ちょうど医療機器「パルスオキシメーター」のごとく健康状態を把握したり、極端な話、超能力者のように相手の感情や精神状態を読みとる能力があると言えるわけです。
人間の目は、肌を、セックスとバイオレンス満載の感動的なドラマを眺めることのできる、フルカラーのディスプレイに変えるように進化してきたからだ。色覚を持たない動物には、あるいは、私たちと同じような色覚を持たない動物には、そうした肌の「ショー」は見えない。

ひとの目、驚異の進化: 4つの凄い視覚能力があるわけ
マーク チャンギージー
インターシフト
2012-10-20




肌の露出と色彩感覚

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最近では「肌色」のことを「うすピンク」と表現するようですが、「肌色」はいわばキャンバス、つまりデフォルトな色なので表現しにくかったり、知覚しにくかったりします。反面、化粧で少し色をつけるだけですごくインパクトをもちます。

色覚は霊長類によって大きな差があります。たとえば、キツネザルにはフルカラーの色覚はありません。
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一方で、ニホンザルなどの旧世界ザルや人間にはフルカラーの色覚があります。
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写真をみれば一目瞭然、キツネザルの顔は体毛に覆われていて肌が露出していなくて、ニホンザルなどの旧世界ザルと人間の顔は肌が露出しています。さらに人間は二足歩行によって視認できる肌の領域が格段に増えました。

これによって、肌の変化をこまやかに観察できるようになって、健康状態から感情や精神状態の変化をとらえやすくなったのではないかと考えられています。

これは、相手の気持ちを考えて「共感する能力」を基礎づけることに関与しているのかもしれません。

色覚の男女差

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系統発生的にはキツネザルとニホンザルのちょうど中間にあたるマーモセットなどの新世界ザルは、メスだけがフルカラーの色覚をもっています。色覚能力には明確な男女差が存在しています。

これは、メスが子どもの健康状態や気分を把握しなければならない場面が多いことに適合しているようです。つまり、メスはオスよりも相手の感情や精神状態を感じとる能力、いわば共感する能力に長けているのかもしれません。

ちなみに、人間の色覚異常は男性の方が女性より約250倍も多いのはこの流れをひきずっているようです。

色覚異常のひとが見る世界

色覚異常のひとは情報処理の過程が通常のひととは異なるので、物事の捉え方や感じ方、もしかしたら考え方や世界観まで違っているのかもしれません。
tumblr_lsxpioF1Vl1qa3fjkゴッホの本当のすごさを知った日
ゴッホの作品は独特な色づかいで異彩を放っていますが、↓↓↓のように作品を色覚異常の見え方をシュミレートすると全く違った味わいが出てくるそうです。
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色覚体験ルームで見たゴッホからは、そのような色の突拍子のなさというか、線の荒さというか、そんなのがすーっと消えて、とても繊細で微妙な濃淡を持つ見事な絵になっていたのだ。
ゴッホの本当のすごさを知った日
このように、なんとなく深みとか凄みが増しているようです。

別の観点からみると、色覚異常のひとは色のバリエーションが少ないおかげで、取り扱うデータ量を縮減して情報処理を効率化させているハズです。もしかしたら、それによって別の能力を高めることにリソースを配分しているのかもしれません。


共感する能力/システム化する能力

ところでASDのひとは共感するのが苦手とされていて、色覚異常ほどではないのですが、ASDも男性の方が女性よりも約4倍多いことが知られています。

もしかしたら、女性は「色彩感覚からの共感能力」を活用してASDの症状を代償している可能性があるのかもしれません。

ここでどうしても連想してしまうのはサイモン・バロン=コーエンです。彼は、物事を秩序立てるシステム化能力に優れた男性と、他者と共感する能力に優れた女性を対比させて、ASD者が共感よりもシステム化する傾向が高いことを示しました「共感-システム化理論(EST)」。

共感する女脳、システム化する男脳
サイモン・バロン=コーエン
NHK出版
2005-04-28




共感という概念はなかなか複雑なので、次回にでも整理していきたいと思います。

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オオカミの社会性、イヌの定型発達症候群

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エライ人に従順なひとのことを「◯◯の犬」 とバカにしたりしますが、いいオトナになっても「社交辞令のひとつも言えやしない」不器用なひともいたりして、なかなかどうして犬の社会的能力はあなどれないのです。というわけで、最近はイヌについて勉強しています。



ヒトとイヌの分岐

およそ8000万年前にヒトとイヌは別の道を歩み始めました。

その頃はちょうど恐竜が陸上世界を支配していて、ヒトとイヌ共通の祖先である哺乳類は毎日怯えながら生活していました。やがて、ヒトの祖先は森へ、イヌの祖先は暗闇へ、それぞれ身を隠して脅威的な捕食者から逃れ、出し抜き、生き延びるために独自の知能を発達させます。

ヒトの祖先は樹の上を自在に動いて木の実を食べるために色彩感覚や立体視(両眼視のできる顔)を発達させ、イヌの祖先は暗闇の中で動けるように聴覚(尖った耳)と嗅覚(尖った鼻)を発達させたため、それぞれまったく違う姿に進化していきました。


ヒトとイヌの邂逅

およそ3500万年前には、肉食哺乳類の中でイヌとネコが分岐しました。

両者は狩りの様式が異なっていて、ネコの祖先は単独で草木に隠れて一撃必殺で獲物をしとめ、イヌの祖先は草原にいる獲物を集団で追いつめてしとめていました。

霊長類をのぞけばイヌ科の動物は状況に応じて行動を変える能力に長けるようになりました。キツネやタヌキもイヌ科ですが、相手を騙して出し抜くという「ソーシャル・スキル」に長けていたからこそ「化かされる」逸話ができたのかもしれません。

イヌ科の中でも、イヌの祖先となるオオカミは、狩猟のために組織化された集団を形成し、意志を伝達して役割を分担することで、自分よりも大きな獲物を狩ることができます。

この集団狩猟こそが、種として大きく隔たったヒトとの共通点=収斂進化と言えます。

また、イヌはヒトと同様に持久走に長けています。後肢の指は骨が癒合して4本になって強靭になっていますし、パンティング(舌を出してハァハァ)は呼吸ではなく冷却のためのものだったりします。


ヒトとオオカミの競合

オオカミはイヌ科の中でも社会性が高い動物で、家族以外とも協力して狩猟や育児を行う柔軟な共同体を形成していることが認められています。

イヌの動物学 (アニマルサイエンス)
猪熊 寿
東京大学出版会
2001-09-01


オオカミは度重なる過激な気候変動に直面し、動的で可変的な社会システムを洗練させ、その優れた適応能力によって世界中に拡散し、ヒトが新世界へ移住を始めた頃(1万5000〜2万年前)までには最上位捕食動物の地位を確立していました。

イヌの動物行動学: 行動、進化、認知
アダム ミクロシ
東海大学出版部
2014-11-26


やがて、食糧資源をめぐってヒトとオオカミは競合するようになります。食糧が豊富な環境であれば両者は友好な関係を結び、時にオオカミは信仰の対象となりましたが、野生動物が減少し牧畜が始まる頃になるとオオカミは忌み嫌われる存在となりました。

ともかく、集団狩猟という共通の習性ゆえにヒトとオオカミは関わり続けることになり、そのような状況が土壌となって、イヌへの最終進化がもたらされました。


オオカミとイヌの境界線

犬が私たちをパートナーに選んだわけ 最新の犬研究からわかる、人間の「最良の友」の起源
ジョン・ホーマンズ
CCCメディアハウス
2014-01-30



何しろ犬というのは、いつの間にか仲間を裏切っていた連中の子孫なのだ。確かに最初に人間の懐に飛び込んで、媚びを売り始めた間抜けなオオカミがどこかにいたはずだ。
では、オオカミとイヌの違いは何でしょうか?

イヌには、共同注視(アイコンタクト)で相手の視線や指差しから意図を理解するなど優れたコミュニケーション・スキルがみとめられています。オオカミやチンパンジーはなかなかコレができないので、イヌの認知機能が優れていると一般的には考えられていたりします。

一方で、ただ単に「攻撃性が欠如している従順な気質をもったイヌ」が選ばれるようになったことで、ヒトとスムーズに協力的な関係をもつことができるようになり、既存の認知機能がいかんなく発揮されたという説もあります。
ゲノム的には気質の変化ほど効率的なプロセスはない。アンドロゲンの発現を制御する遺伝子を少しだけ移動させるか、セロトニントランスポーター遺伝子を動かすだけで雪だるま式効果が得られる。しかも極めて効率がいい。それは費用対効果の高い進化上のトリックで、莫大な見返りも期待できる 
優秀さよりも従順さが「社会性」として評価されることってよくあると思います。

ここで乱暴ですが、イヌを定型発達に、オオカミをASDに対比してみると、優秀でも従順さに欠けるひとはしばしばASDと診断されやすかったり、ASDでも従順なひとはなかなか診断されにくかったりする事情が理解しやすくなりそうです。


オオカミのオスはイクメン

あと意外なことに、オオカミのオスは子育てに対して非常に協力的だそうです。一方、イヌのオスは自分の仔犬にあまり関心を示しません。にもかかわらず、飼い主の子どもには大きな関心を示して世話をすることがあります。

なので、いったん家畜化されて(イクメン本能を失って)その後野生化した野犬の場合は悲惨なことに、メスがワンオペ育児をすることになり、仔犬の生存率が低くなってしまいます。

イヌが獲得した社会性とは、家族よりも共同体を優先する習性と言えます。

家庭を犠牲にして所属集団(イエ)に尽くすヒトは「社会性」が高いと言われますが、うっかり尽くすべき相手を間違えると、野犬のように悲惨な運命をたどることになったりします。

こうしてみると、オオカミは自分たちでちゃんと社会をつくっていたけど、イヌは自分たちで社会をつくることを放棄して人間社会に参入したとも言えます。


生物にとっての社会性とは?

ヒトにとっての社会性とは、ざっくり言うとアカの他人と協力することなので、社会性を身につけることは悪意あるひとにダマサれてカモられるリスクと常に隣合わせです。ソーシャルスキルトレーニングを受けると詐欺の被害に遭いやすくなることもあったりします。

自閉症コミュニティの「定型発達症候群」というジョーク、メンタルヘルス領域で言うところの「過剰適応」「メランコリー親和型」は、他人に合わせて協力し過ぎるがゆえに消耗してしまう傾向です。

なまじ定型発達が過剰であるがゆえに不幸になっているヒトは、オオカミ的な社会性を身につけた方がイイのではないかと思う今日このごろです。

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