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システムをゆさぶる解決志向ブリーフセラピー


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パズル


子どもの診察でよく遭遇する『不登校・ひきこもり』についてのレクチャーを準備しています。



不登校・ひきこもりの特徴

不登校やひきこもりの臨床では、問題の原因を特定して治療すれば終了!という素朴な因果律では解決できない場合が多くあります。というのも、ある問題の原因を特定しようとする行為によってますます問題がこじれていくことになったりするからです。

ここでの因果律はグルグル回転していて、悪循環に至る『不登校・ひきこもりシステム』が完成されています。もちろん、そんなシステムをつくろうだなんて誰ひとり意図してないのにも関わらずできあがってしまうのが不思議なところです。


不登校・ひきこもりシステム

『システム』といえば一般的には超便利というイメージがありますが、実はけっこうやっかいな面もあったりします。というのも、システムはいったん完成してしまうと中にいる構成メンバーの意志では止められなくなってしまう場合があるからです。しかもシステムは透明なので外からみてもよくわかりません。こうしてシステムは安定して維持されていきます。


システムを改変するためのプログラム

システムを改変するにはシステム外部からのアプローチが必須となります。不登校・ひきこもりシステムの中にいる人は素朴な因果律を採用していて、外の人にもソレを求める傾向があります。外の人が安易にソレを採用してしまうと悪循環のシステムに組み込まれてしまうので、あらかじめ中の人とは別の思考プログラムを身につけておく必要があります。

例えば、解決志向ブリーフセラピー。素朴な医学モデルとはかけ離れた思考プログラムなので、上記システムに干渉する際には役に立つ場合が多いようです。軽薄そうにみえてわりと奥が深い感じがするのも好感がもてます。そして、伝達性が高いのがウリみたいなので、さわりだけ伝達してみようと思います。


解決志向ブリーフセラピー

解決志向ブリーフセラピーはプラグマティズムという哲学にもとづいています。ざっくり言うと「役に立てばそれでいい」という考え方です。目的を達成するために利用できる手段は積極的に利用していきます。医療福祉の分野では、ともすれば手段そのものが目的化してしまうという現象が起きがちだったりするので有効です。


原則
  1. うまくいってるならそれを変えるな
  2. 一度うまくいったらまたそれをせよ
  3. うまくいかないのであればなにか別のことをせよ 
  • クライエントの病理のせいにしない
  • 教条主義的にならないように
  • 何でもいいからやってみて試行錯誤を重ねる
  • 失敗はアーカイブしておいて繰り返さないように

変化とは
  • 変化は絶えず起こる・必然である 
  • 小さな変化は大きな変化を生み出す 
  • 変化は瞬間に起こる 
  • 変化は変化のための方法を知らなくても起こる 

治療的変化が起きる条件
  1. 治療者含む2人以上の人間が接触している
  2. 治療者がサービス業に徹していること 
  3. 治療者が変化について体験的に知っている 
  4. 治療者が問題について知っている
    ・問題は『ない』あるいは人と人との間に『つくられている』 
    ・受診していること自体はひとつの問題である
  5. 治療者はクライエントに対して常に敬意を払っている 
    ・クライエントの中には問題はない 
    ・クライエントは変化に必要な能力とリソースを持っている 
    ・クライアントはその問題についての専門家である
    ・良い変化の方向はクライエントが知っている  

『問題モード』から『解決モード』へ
 問題の解決ではなく解決の構築を目指す
 率先して治療者が解決モードに入る


解決モードの条件
  • どうなりたいのだろうか?
  • よくなったらどうなっているだろうか?
  • なにが好き/得意だろうか?
  • すでに起こっている変化/できていることはなにか?
  • なにを利用できるだろうか? 


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講演会のお誘いを受けました。おもしろそうなので行こうと思います。
めちゃくちゃ広い会場を借りてるので、たくさん参加できるみたいです。
ご興味のある方はぜひご参加ください。ネットからの申し込みもできます。

1 日 時
2014年8月20日水曜日 14:00~16:30

2 場 所
兵庫県看護協会 ハーモニーホール

3 講 師
◆宇都宮大学 教育学博士 梅永雄二
◆関西学院大学 総合支援センター コーディネーター 鈴木ひみこ
◆社会福祉法人すいせい 副理事長 岸田耕二

4 定 員  500名

5 対 象
当事者・保護者および当事者団体、企業・就労先企業関係者、医療機関関係者
教育機関関係者、地域支援機関関係者、関係行政機関 等

6 申込み
ちらしのフォームからFAXでお申込みいただくか、下記のアドレスからお申込みください。
申込みアドレス http://goo.gl/IE9YmE


近年、「発達障害」という言葉は社会の中でも浸透し、障害者雇用の中でも発達障害のある方が活躍できる場面が非常に増えてきました。一方で発達障害の傾向はあるものの、診断の無い方(グレーゾーン群)に対する就労支援や進路選択については、まだまだ課題も多く、困惑されている当事者の方々や支援機関の方々が多くいるかと思います。

そんな状況をふまえて「発達障害のある方」「グレーゾーン群の方」に向けて、今我々が出来ること、考えていることを共有できればと思い、本講演会を企画いたしました。

この講演会を通して、様々な立場の方々が一つでも多く、何かの「気付き」を得ていただければ幸いです。

『グレーゾーン』の人たちは臨床上しばしば問題になります。典型的な人たちは典型的な治療法や対処法が有効だからです。おまけに、グレーゾーンの人たちは他の疾患もグレーゾーンだったりしてややこしいのです。


生活歴が荒んでいることに注目するのもいいのですが、さしあたってどの診断を採用するかはリソースで決まります。診断はあくまでも仮説なので、援助者の人口や制度が豊富な診断名を優先して採用すべきかと思います。今どき「人格障害」と診断したところで誰も助けてくれませんから。

その点、最近の発達障害に対するリソース増加は著しいですね。これには賛否両論ありますが、就労支援を導入することによってメキメキと改善する発達障害の方がいらっしゃる事実がありますので、見逃せない動向だと思います。

意外とブリコラージュな配線のスクランブル交差点


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さて、天井をコンクリート剥き出しにしたことで、天井を走る配線の交通整理をしなくてはいけません。

そこで登場するのが鉄パイプとボックスです。
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ボックスはまず穴のない状態で現場に持ち込まれて配線をひとつひとつ確認しながらドリルで穴をあけていきます。
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穴をあけたら次は天井に設置されます。
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そして、ボックスを起点として鉄パイプが繋がれていきます。このように、ボックスは配線のスクランブル交差点として機能します。
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このようなものは、まず設計図ありきで全てそれにしたがって実装されるものだと想像していました。ですが、実際の現場は複雑さに満ちていて臨機応変に対応する必要があり、その場その場でベターなものをツギハギしながら作成していく手段がとられていくわけです。

これはエンジニアリングに対する『ブリコラージュ』という方法に近いものだと感じました。

『ブリコラージュ』とは、レヴィ=ストロースが『野生の思考』で記述した、限られたリソースのなかで暮らす野生の人々がありあわせの道具と材料で生活に必要なものをつくってやりくりしていくことです。

あらかじめ設計図があって最適解が定められいることから学ぶものはほとんどなくて、限られたリソースのなかで試行錯誤しながら解決していくプロセスから学ぶことが重要だと思う今日このごろです。

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