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カテゴリ:アーキテクチャ

自立はややこしいので、とりあえず自律しておこう

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自立

自立と自律の違い

日本語では読み方が同じ「じりつ」なのでまぎらわしいのですが、自立と自律は全然違います。英語では、自立/自律は、independence/autonomy なので、全く別モノであることがよくわかります。

自立 independence【in - dependence】

【in】は「否定」、【dependence】は「依存」
原義は「依存しないで生きていく」です。
つまり、誰にも援助されず依存せず、独立していることとされています。

自律 autonomy【auto - nomy】

【auto】は「自分」、【nomy】は【nomos】つまり「法」「ルール」
原義は「自分のルールで生きていく」です。
つまり、誰にも影響されずに自分のルールに従って意思決定する能力であるとされています。

なので、自律なくして自立はありません。自律はより基礎的な能力で、自律できるようになって初めて自立が達成されるハズです。

ですが、しばしば自立と自律がごっちゃになっていて、自律もできていないうちから性急に自立が強調されたりすることが多いように思われます。しばしば子どもの頃から「他人に依存せずに自立を目指すべき」と言われたりしますが、これにはいろいろな問題があります。


自立のパラドックス

「自立」の反対は「依存」なのですが、「自立すること=依存すること」だったりします。自立しているひとほど、さまざまなひとたちにうまく依存して生きていたりするからです。

たとえば、大企業の経営者は自立した立派なひとであるとされていますが、多くの社員をはじめ様々な人脈のネットワークやシステムに依存して活動しているので、ひとりだけでやれることはそれほど多くありません。なので、もっとも依存しているひとであるとも言えます。

一方で、誰にも会わずにずっと家にひきこもっているひとは親に依存していて自立できていないダメなひとであるとされていますが、他人はもちろん親すらも心理的には頼っていなかったりするので、もっとも自立しているひとであるとも言えます。

なので、自立するためには、いろんな依存のチャンネルをもっておくことが必要だったりします。

「自立支援医療」という制度があるように、医療や福祉の領域では「自立」が重要とされていますが、単純に自立させようとする援助は、逆に自立できない状態へと追い込むことになっていたりするわけです。


自立と「子ども部屋」

一般的には、自律よりも自立が注目されて依存が問題視されがちです。自立した個人として生きていくことが重要であると強調されることで、自立できなかった個人は激しい批判の対象となってしまいます。

たとえば、戦後日本で民主主義教育が普及したことによって、子どもの自立心を養うために「子ども部屋」が重視されるようになりました。

ですが、1970年代後半から増加した不登校やひきこもりの温床として「子ども部屋」はヒステリックに批判され、一転して子ども部屋を個室化しない住宅プランが増えていくことになります。

不登校やひきこもりという現象は複雑な問題なので原因は特定できないのですが、自立をさまたげる犯人として「子ども部屋」がヤリ玉にあがってしまいました。

ともかく、自立をめぐる問題はパラドックスを含んでいて混乱しやすいので、「自律」の概念に注目するべきだと考えています。


「子ども部屋」で自律を育む

環境心理学者の北浦かほるは、子どもが「自律」を獲得していくプロセスは、「プライバシー意識」を獲得していくプロセスと密接に関係していることを指摘して、「子ども部屋」という物理環境をコントロールする経験を通じて「自律」が育まれていくのではないかと考えました。



とてもおもしろい本だったので、次回紹介してみようと思います(不登校の対策として「子ども部屋」を活用する)。

受付カウンターにタイルを敷き詰めてみました。

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受付カウンターは患者さんが必ずアプローチする重要なポイントなので少し意匠を凝らしてみました。
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中東っぽいタイルを貼りました。こんなタイルです。
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タイルは平らですがカウンターは弧を描いています。このタイルのサイズでギリギリいける弧の曲がり具合だそうです。
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個人的にはこの部分のアールが絶妙だと思いました。
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それにしても中東の模様ってとても迫力があって綺麗ですよね。下はカタールで撮影した窓の模様です。
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その昔、イスラム教は偶像崇拝禁止なので美術家たちは聖画を描けませんでした。その代わりに幾何学的な模様の配列を反復する手法を発達させて建物を装飾するようになりました。

この模様は、美術的に優れているのはもちろんのこと、緻密な数学的計算がそれを可能にしていたりするので、まさに美術と科学・異なる叡智の結晶なのでした。

ってゆーか、昔は美術と科学がそれほど遠くなかったということなのでしょうね。

クリニックにキッズルームを設置すること

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まえまえからクリニックにキッズルームがあればいいのになと思っておりました。
お店にキッズルームがあったら何かと助かるってことで。
アレコレ想像をふくらませながら設計さんにイメージ図を描いてもらうと。。。
キッズスペース イメージ図
きのこハウス!いい感じじゃないっすか!
コレでいきましょうというわけで、つくってもらいました。
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まだセメントでカタをつくっているところなので壁がダークグレーですが、最終的にはイメージ図のように薄い黄色で仕上げる予定なのです。
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きのこハウスの中からみたところ。天井に穴があいていて光が差し込みます。
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職人さんによると工作するのがとても大変だったそうですが、おかげさまでなんとかカタチになってよかったです!
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丸みこそ文化!?

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いま、中東から東ヨーロッパを旅行しているんですが、様々な場所でアーチ状の扉や窓がやたらと目につきました。


カタールのドーハ
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オーストリアのウィーン
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ポーランドのクラクフ
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構造物が丸いってだけでそれ自体どうってことないんですが、なんとなくみててなごみます。もののかたちがこころに作用するのはとても不思議なことです。

とはいえ、設計さんによるとアーチ状に細工することによって約2倍の資材が必要になるというムダが生じてしまいます。けして効率的ではありませんが『ムダこそ文化』つまり『丸みこそ文化』 ってことでしょうか。

すずろメンタルクリニックでは入り口の開口部のみをアーチ状に加工して、扉は四角いままにしています(丸い扉!?)。扉もアーチ状に加工することはコストが跳ね上がってしまいますので、コストをおさえつつ雰囲気を醸し出すという設計さんの創意工夫の賜物なのです。

木材をもとめて海を渡る

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すずろメンタルクリニックの待合室には、木製のカウンターやベンチを設置しようと目論んでいるのですが、新品の木材よりも古い木材を利用した方が雰囲気イイのではないでしょうか!?

というわけで、たまたま淡路島在住の知人が古い木材をみつけてくれたので設計のひとと一緒に物色してきたのです、明石海峡大橋を渡って淡路島まで!
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なんと20年間雨ざらしにされていた木材!ただのゴミにしかみえません。

上の方はボロボロで、下の方はグジュグジュです。素人目にみてもとてもじゃないけど使えそうにありません。

そこで、真ん中あたりをチェックしてみると…
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うん、悪くない。使えるかも!いや、むしろオモシロイかも!というわけで、さっそく寸法を測って運搬する算段をしてきました。
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古材に関するスペシャリストである設計さんによると、木材は30年ほど経過したくらいが一番安定するらしいのです。ちょうどその頃には取り壊されてしまうことが多いのでもったいない!という貴重な豆知識をいただきました。

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